シグブラ
第94回:冬の光を探してブラブラ

冬の光を探してブラブラ

December 7, 2016

師走になった。東京では相変わらず気温の変動が激しく、春のような日があったと思ったら雪が降ったりして、いまいち冬本番という実感が湧いてこない。また年末ということで道路も人気スポットも大混雑していて、カメラを持って出歩く気にならなかった。ならば、とSIGMA sd Quattro を手に近所にある大きな公園をブラブラすることにした。ここなら静かに冬の光を探せそうな気がしたからである。

冬はのんびりしているとあっという間に日が暮れる。シグマのカメラにとってなかなか厳しいシーズンだ(笑)。休みの日にブランチをゆっくりと取って出かけるのが遅くなると、カット数がなかなか伸びなくなる。こういう時はF値が明るいアートラインレンズに助けられることが多い。

また年末はどこもかしこも混雑して、人々も何やら殺気立っているので、遠出するにもちょっと億劫になってしまう。そういう時は近場でいいので、機材の大掃除というか点検を兼ねて、手持ちの機材を外気に触れさせてみよう。SIGMA dp Quattro 4兄弟のシャッターをまんべんなく切ったり、SIGMA sd Quattro に所有しているレンズを一通りつけて動作させたりするのだ。

今年一年を振り返りながら機材の総点検をする、というわけだ。カメラやレンズを触っていると、撮影した数々のカットが頭に蘇ってこないだろうか。「ああ、あそこでまた写真を撮りたいなあ」とか「もうちょっとワイドなレンズが欲しい!」とか思い起こすに違いない。

「SIGMA sd Quattro H ならもっと高精細で撮れるんだろうなあ」と考えながら、傾きつつある日の中を歩く。日向と日陰の温度差を、肌とカメラの露出で知る。

気温が下がってきた公園は人が少ない。見かけるのはランニングやイヌの散歩をする人くらいで、カメラを持ってブラブラしている人は皆無だ。水たまりに映った木を撮っていると、ランナーが怪訝そうな表情でのぞき込んで行った。

左手の Apple Watch に表示させている日の入り時刻に近づいてきた。今日は夕焼けになるだろうか。美術館に落ちる色づいた光線を見て少しだけ期待が高まる。

どんどんと傾く冬の光の中を、落ち葉を踏みしめて歩く。枯葉を踏む音と、雪を踏みしめる音はなんであんなに魅力的なのだろう。冬がプレゼントしてくれる数少ない楽しみなのであろうか。

公園のこんもりしたところから夕日を探すが、どうやら雲が出てきてしまい、夕焼けは見られそうもないことがわかった。仕方がない。また明日に期待しよう。年内に点検しなければならないレンズはまだまだたくさんあるので心配はない。次回はどのレンズを連れてブラブラしに来ようかな。


三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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