シグブラ
第95回:師走の会津ブラブラ

師走の会津ブラブラ

December 21, 2016

12月の初めにシグマ会津工場を久しぶりに訪れた。ちょうど翌週からSIGMA sd Quattro H の生産が始まるところで、ボディへのセンサーの組付けや Art ラインレンズの製造工程などを見学した。訪問するたびに大きくキレイになっていく工場はユーザーとして頼もしい限りである。師走でしかも新製品の生産が始まるという忙しい時期だったが、働く皆さんが笑顔を絶やさないのが印象的だった。そして社員食堂でランチに舌鼓を打った後、工場から会津ブラブラへと出発したのであった。

観光客で賑わう会津若松駅から喜多方駅に向かう。カラフルな列車がホームで出迎えてくれた。どうやらこちら方面に行く人は少ないようで、ボックスシートを一人で使うことができた。わずかな時間だが車窓からまだ雪のない会津の景色を楽しむ。

喜多方の駅に降り立ち、SIGMA sd Quattro をカメラバックパックから取り出して歩き始める。列車の様子から察してはいたが人が少ない。というか誰も歩いていない。目抜き通りはクリスマスの飾り付けが行われていたが、喜多方にはどうにも似合わない。昔懐かしい蔵の街にサンタクロースやクリスマスツリーは不要ではないだろうか。

人がいない蔵の街をブラブラと歩く。ここは酒蔵が多いので注意が必要である(笑)。ついウッカリすると何軒も試飲を繰り返してしまい大変なことになってしまうからだ。しっとりとした蔵の中で日本酒の製造工程を見学して勉強した。

喜多方というと思い浮かべるのがラーメンである。名物のラーメン屋が多いエリアに来ると、ようやく観光客の姿を見ることができた。老舗の名店はちょっとした行列ができていたので一安心である。

観察しているとどうやらクルマで目当てのラーメン屋に乗り付けて、食べたらすぐ次の観光地へと走り去ってしまうようである。喜多方は歩くと面白い街なのでちょっと残念な気持ちになった。

自分もラーメンを食べたあと、ほとんどの路地を歩いてから駅に向かう。歩く先々で懐かしく興味深い光景に出会うが、観光振興策なのかキレイでピカピカの歩道や標識に作り替えられているのを目にした。たしかに段差が少なく歩きやすくて明るいイメージにはなるが、ここを訪れる旅人のイメージとの「段差」は大きくなっていくような気がする。

酒蔵を泣く泣く通り過ぎ喜多方駅に着くと、なんと蒸気機関車がやってきた。乗車券を買い求め、多くの鉄道ファンがレンズを向ける客車に乗り込んだ。蒸気機関車に乗るのも久しぶりである。車内に漂ってくる煙の匂いを味わいながら会津若松駅に向かった。

翌日は会津エリアで活躍する芸術家たちのアトリエを訪れた。山あいの児童館跡で作品作りをしている半沢政人さんは、一枚の紙にハサミを入れるだけの「Ori Kiri Ori」という手法で制作に没頭していた。彼の手にかかると一片の紙がどんどんと様々な姿に変貌していく。シンプルだが奥が深い作品だと感じた。

磐越西線を望む位置に立つ小学校の分校跡では、校舎を様々なアーティストに開放して創作活動に打ち込んでもらう試みを見学した。絵画からオブジェ、建築までそれは多岐に渡る。それだけでなく鉄道模型やなぜか歌謡ショーまでと守備範囲がとても広いのが特長だ。年季の入った古い校舎は実に味わい深く撮影しがいがあった。飼われている若く遊び盛りの仔ネコとのコントラストが眩しい。広い校舎を縦横無尽に遊び回る仔ネコを見て、「来年もこのくらい元気よく飛び回ってブラブラできるといいなあ」と思った。窓から外を見るとちょうど磐越西線が走り去るのが見えた。会津はそろそろ雪のシーズンを迎える。


三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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